六爻占い(断易)の用神(ようじん)とは:質問ごとに見る爻の選び方
2026年10月24日 更新
六爻(ろっこう)占い、日本でいう断易・五行易では、用神(ようじん、yongshen)とは卦の中で、あなたが尋ねた事柄を表す一本の爻のことです。仕事、お金、相手の人、書類などがそれにあたります。卦のほかの要素はすべて、この用神との関係で読みます。用神をうまく選べば卦ははっきりした絵になりますが、選び間違えると、正しいルールを間違った対象に当てはめて読むことになります。
このガイドでは、用神とは何か、質問の種類ごとの伝統的な選び方、用神が二つ現れたときや一つも現れないときの扱い、そして初心者がもっとも陥りやすい間違いを説明します。
用神はどこから来るのか
六爻占いは周易の本文(卦辞・爻辞)を読みません。そのかわりに卦を「装う」作業(裝卦)を行います。納甲の方法で各爻に干支を配し、卦を八宮のいずれかに帰属させ、各爻の五行が宮の五行とどう関係するかによって、六親のいずれかのラベルを付けます。六親といっても実際の種類は五つだけで、それぞれが一群の事物を受け持ちます。
- 父母——宮を生じる五行。両親や目上の人、先生、書類、契約、手紙、家や乗り物など、あなたを守り、あなたを証明してくれるもの全般。
- 官鬼——宮を剋する五行。雇い主、権威、地位や役職、プレッシャーやトラブル。伝統的には、女性にとっての夫や男性のパートナー。
- 妻財——宮が剋する五行。お金、品物、収入、自分が管理するもの。伝統的には、男性にとっての妻や女性のパートナー。
- 子孫——宮が生じる五行。子ども、生徒や年下の人、ペット。古い書物では心配を和らげる「福神」ともされます。
- 兄弟——宮と同じ五行。きょうだい、友人、同僚、ライバルや競争相手。
これらのラベルの論理は六親で詳しく説明しています。また、どんな質問でも重要になる爻がさらに二本あります。あなた自身を表す世(世爻)と、相手側を表す應(応爻)です。世爻と応爻をご覧ください。
質問の種類ごとの伝統的な選び方
清代の標準的な占書である《增刪卜易》と《卜筮正宗》には長い一覧が載っていますが、核となる部分は短いものです。
- 仕事、キャリア、内定、昇進、権威ある相手とのやりとり——官鬼。
- お金、収入、取引、品物——妻財。
- 両親、目上の人、先生。家、契約、申請、手紙——父母。
- 試験——占書はふつう、答案と勉強そのものを父母とします。順位や結果については官鬼も見る読み手がいます。自分がどちらを尋ねているのかを把握しておきましょう。
- 子ども、生徒、年下の親族、ペット——子孫。
- きょうだい、友人、同輩、競争相手——兄弟。
- パートナー——伝統的には、男性が女性について尋ねるなら妻財、女性が男性について尋ねるなら官鬼。どのようなカップルでも、「相手方」としての應爻を用いるのは妥当な代替案です。
- 自分自身、自分の状態、全般的な質問——世爻。
用神が決まると、五行の循環にしたがって三つの補助的な役割も決まります。用神を生じる五行である原神(助けの源)、用神を剋する五行である忌神(主な障害)、そして原神を剋して助けを断ち切る仇神です。同じように弱い用神でも、動いた原神を受けている場合と、動いた忌神に打たれている場合とでは、読み方がまったく異なります。
用神が二つ現れるとき、一つも現れないとき
爻は六本、六親は五種類なので、少なくとも一つの六親は二回現れます。その二つがどちらも用神にあたる場合、占書はまず動いているほうを取るよう勧めます。どちらも動いていなければ、世または應を持つほうを取ります。その先は流派によって異なり、多くの人は両方を合わせて判断します。
必要な六親が六本の爻のどれにも現れない場合は、同じ宮の純卦から取って、いずれかの爻の下に隠れている伏神(ふくしん)として探します。用神が伏しているのは「答えがない」という意味ではありません。事柄がまだ表に出ておらず、それを覆っている爻(飛神)の下から出てこられるかどうかにかかっている、ということを示しています。
当サイトの読み解きでの選び方
当サイトの易占いの詳しい六爻リーディングは、《增刪卜易》と《卜筮正宗》で実践されている京房納甲の流儀に従っており、卦を立てる前に質問の種類を選べます。対応づけはあえて単純にしてあります。仕事は官鬼、お金は妻財、学業・住まいと書類・両親と家族は父母、子どもは子孫、友人や同輩は兄弟、全般的な質問は世爻です。恋愛や関係についての質問では性別をお聞きします。男性の質問なら妻財、女性の質問なら官鬼、「答えない」を選んだ場合は應爻を相手方として用います。
その六親が複数現れるときは、動いている爻を優先し、次に世または應を持つ爻、次により強い爻を選びます。それでも決まらなければ下にある爻を取りますが、これは古典のルールではなく当サイト独自の決め方なので、候補となる爻はすべて表示します。その六親が現れないときは、その六親の伏神のうちもっとも強いものを取ります。健康のカテゴリーはあえて設けていません。
よくある間違い
- 卦を立ててから選ぶ。用神は質問を組み立てる段階で決めておきましょう。卦を見てから選ぶと、いちばん良さそうに見える爻に流されてしまいます。同じ心構えは問いの立て方にも当てはまります。
- 何でも世爻で見る。世爻はあなた自身です。「この契約はまとまるか」と尋ねたなら、契約は父母です。自分の爻は、あなたがそれに対してどういう立場にあるかを示すだけです。
- 人と物事を混同する。「上司は昇給を認めてくれるか」という質問は、上司(官鬼)についてとも、お金(妻財)についてとも取れます。本当に気になっているほうを選びましょう。
- 四柱推命(八字)の用神と取り違える。同じ二文字でも、四柱推命では日主のバランスをとる五行を「用神」と呼び、意味がまったく違います。言葉は同じでも概念は別物です。
- 爻辞を読んでしまう。周易による読み方では変爻の言葉を読みます。六爻占いでは、用神は爻辞ではなく、五行、季節、日、動爻によって判断します。どちらの方法も正当ですが、一回の読み解きで混ぜると両方が混乱します。
実際にやってみる
卦を立てる前に、質問を一文で書き、その横に用神として扱う六親を書き添えましょう。卦が出たら、まずその爻を探します。そして次の四つを順に確認します。現れているか、伏しているか。今月・今日において強いか弱いか。動いているか、そして動いた結果、自分を助けるものに変わるか害するものに変わるか。原神や忌神として作用している動爻はあるか。そのうえで世爻との関係を見ます。ここまで済ませて初めて、卦の残りの部分を読む意味が出てきます。
五行よりも卦の本文で読むほうがしっくりくる場合は、易経の読み方をお読みください。用神は六爻という方法に属するもので、易経を用いるあらゆる占い方に必要なわけではありません。