易経の動爻(変爻)とは:老陰・老陽と読むべき爻辞
2026年10月24日 更新
動爻(どうこう。変爻とも呼びます)とは、卦の中で「老いた」値が出た爻のことです。老陰(値は6)か老陽(値は9)で、そのためまもなく反対の爻に変わろうとしています。その爻辞は答えの中でもっとも具体的な部分であり、それを反転させると、状況がどこへ向かっているかを示す二つ目の卦が得られます。値が7か8の爻は「若い」爻で、そのままとどまります。
考え方はこれで全部です。このページの残りでは、これらの数がどこから来るのか、そしてそれをどう使うのかを説明します。
爻は二種類ではなく四種類
紙の上の卦には、陽爻(つながった線)と陰爻(切れた線)の二種類しかありません。しかし卦を立てるとき、各爻は四つの値のいずれかとして出てきます。
- 6——老陰。行き着くところまで行った陰爻で、まもなく陽爻になります。×で示すことがよくあります。
- 7——少陽。陽爻のままとどまる陽爻です。
- 8——少陰。陰爻のままとどまる陰爻です。
- 9——老陽。行き着くところまで行った陽爻で、まもなく陰爻になります。○で示すことがよくあります。
「老」と「少(若い)」の背景にあるのは陰陽の循環です。極みに達したものは何であれ、その反対に転じます。少爻はまだ自らの性質へと育っている途中で、老爻は限界に達してひっくり返ろうとしています。だからこそ、動くのは老爻だけなのです。
これらの数は勝手につけたラベルではありません。『周易』そのものが、すべての爻をこの数で呼んでいます。第1卦 乾のいちばん下の爻は初九(しょきゅう、「初めの九」)、第2卦 坤の二番目の爻は六二(りくじ、「二の位の六」)です。爻辞は、動く爻のために書かれているのです。
コインで動爻が出るしくみ
三枚のコインを使う方法では、一本の爻ごとに三枚のコインを投げます。一般的な決まりでは、片面を3、もう片面を2と数えます(どちらの面をどちらとするかは先生によって異なります。コインのどちらの面が陽かをご覧ください)。三枚の合計を出します。
- 2が三枚で6、老陰——動爻です。
- 2が二枚と3が一枚で7、少陽。
- 3が二枚と2が一枚で8、少陰。
- 3が三枚で9、老陽——動爻です。
コインでは、それぞれの老爻が出る確率は八分の一なので、典型的な易占いでは動爻は一本か二本で、一本もないことも珍しくありません。より古い筮竹(蓍草)による方法でも同じ四つの値が出ますが、確率が違います。老陽のほうが老陰より出やすく、それが大事だと考える読み手もいます。当サイトの易占いはコインの確率に従い、動爻に印をつけて示します。
動爻が意味するもの
卦は一つの状況を描きます。六本の爻はその中の位置や段階で、下(始まり、低い場所や外側)から上(終わり、高い場所や行き過ぎ)へと並んでいます。動かない爻は背景の一部です。動爻は何かが起きている場所、つまり状況が転じつつある点です。
そこから、読み解きは三つの部分になります。
- 本卦(ほんか)——今ある状況です。その卦辞を読みます。
- 動爻——転換点です。その爻辞を読みます。たいていは、あなたの問いにもっとも直接に語りかけてきます。
- 之卦(しか)——動爻をすべて反転させると新しい卦が得られます。物事が向かう方向です。之卦の意味をご覧ください。
之卦の「之」は「ゆく」という意味です。記録に残るもっとも古い読み解きは、まさにこの言い方を使っています。『春秋左氏伝』には、周の占い師が陳侯のために卦を立て、「観の否に之くに遇う」(遇觀之否)を得た話があります。第20卦 観(かん)の四爻が動き、第12卦 否(ひ)に変わったのです。占い師はその四爻の爻辞を読みました。それは「觀國之光」(国の光を観る)で始まり、王の賓客となるに利ろしと続きます(観の四爻)。つまり、一本の動爻をそれだけで読むことは、この書とほぼ同じくらい古い実践なのです。
複数の爻が動くとき
動爻が一本なら簡単です。それを読めばよいのです。二本以上なら、どの本文に重みを置くかのルールが必要になります。多くの読み手が使っているのは宋代の朱熹に由来するルールで、その詳細——二本なら上の爻、三本なら両方の卦辞、四本か五本なら動かない爻——は、変爻の詳しいガイドにまとめてあります。伝統は一枚岩ではありません。動爻をすべて読む人もいれば、いちばん下の爻だけを読む人もいます。一つのルールを選び、それを守りましょう。
二つの特殊なケースには、それぞれ専用のガイドがあります。卦辞と象がそれだけで立つ動爻がない場合と、乾と坤に固有の本文がある六本すべてが動く場合です。
よくある誤解
- 「動爻は警告である。」違います。動爻は変化が起きている場所を示すもので、それが歓迎すべきものかどうかは爻辞次第です。吉である動爻もたくさんあります。
- 「之卦は二つ目の答えである。」之卦は同じ答えの続きです。本卦に照らして読む、動きの方向です。
- 「卦のすべての爻を読むべきだ。」理解のためにすべてを読むのはかまいませんが、読み解きにおいて問いに語りかけるのは動爻だけです。ほかの爻は舞台設定を描いています。
自分の動爻を読む
次の易占いで動爻が出たら、こうしてみましょう。
- まずそれを見つける。下から数えて何番目か、そして6か9かを書き留めます。
- 本卦の卦辞を読み、次に動爻の爻辞を、問いを目の前に置いてゆっくり読みます。どの卦のページでも各爻を全文で開けます。たとえば乾の初爻は「潛龍勿用」(潜龍用うるなかれ)、「潜んでいる龍、まだ動くな」です。
- 行き先を見る。之卦を開き、その卦辞を判決ではなく、進んでいく方向として読みます。
- 書き留める。その爻を自分の言葉で書きましょう。この爻が自分に何を求めているかを一文で言えれば、それが読み解きの最良の要約になります。