先天八卦(伏羲八卦)とは:配置・数・後天八卦との違い
2026年10月24日 更新
先天八卦(xiantian bagua)は、八卦を円形に並べ、どの卦もちょうど反対の卦と向かい合うようにした配置です。天と地、火と水、雷と風、沢と山が向かい合います。伝統では聖人伏羲の作とされますが、今日知られている図を世に出したのは宋の哲学者邵雍(1011〜1077)で、梅花心易でいまも使われる1から8までの卦の数も邵雍が与えたものです。
図のもとになった一文
この配置は、十翼のうち八卦について述べた説卦伝(說卦)の一文に基づいています。
天地定位,山澤通氣,雷風相薄,水火不相射,八卦相錯。
「天地位を定め、山沢気を通じ、雷風相薄り、水火相射わず、八卦相錯わる」。この文は四つの対を挙げており、どの対も二つの卦は一爻ずつすべて反対になっています。邵雍はこれを、対が互いに向かい合う円を述べたものと読みました。説卦伝自身はその円を描いていません。これは一つの解釈であり、しかも力強い解釈です。
八卦そのものをおさらいしたい方は、八卦や八卦のページから始めてください。
円の配置
中国の図では南を上に置きます。先天八卦の円では次のようになります。
- 乾 ☰(天) が上の南、坤 ☷(地) が下の北。
- 離 ☲(火) が東(左)、坎 ☵(水) が西(右)。
- 兌 ☱(沢) が南東にあり、北西の艮 ☶(山) と向かい合います。
- 震 ☳(雷) が北東にあり、南西の巽 ☴(風) と向かい合います。
陰陽の循環として読んでみましょう。北東の震、つまり一番下に陽爻が一本ある卦から始め、左側を離、兌と上って乾に至ります。陽が育って完成するまでの流れです。次に南西の巽、一番下に陰爻が一本ある卦から始め、右側を坎、艮と下って坤に至ります。陰が育って完成するまでの流れです。曲線の代わりに爻で描いた陰陽の図と同じ絵なのです。
邵雍の数
邵雍は八卦に「乾一、兌二、離三、震四、巽五、坎六、艮七、坤八」と番号を付けました。乾1、兌2、離3、震4、巽5、坎6、艮7、坤8です。円の上では、1から4が左側を乾から震へと下り、5から8が右側を巽から坤へと下ります。そして向かい合う対は、どれも足すと九になります。
邵雍はこの順番を繫辞伝の一文から導きました。易有太極,是生兩儀,兩儀生四象,四象生八卦——「易に太極有り、是れ両儀を生じ、両儀は四象を生じ、四象は八卦を生ず」。陽と陰に分け、それぞれをまた分け、さらにもう一度分け、常に陽を先に置くと、ちょうど乾、兌、離、震、巽、坎、艮、坤の順になります。邵雍は同じ倍加を六十四卦すべてに当てはめ、乾から始まり坤で終わる順を作りました。
二進法のパターン
陽爻を1、陰爻を0として下から読むと、この順番は二進法のカウントダウンになっています。乾111(七)、兌110(六)、離101(五)、震100(四)、巽011(三)、坎010(二)、艮001(一)、坤000(零)。邵雍の数は、八からこの値を引いたものにすぎません。
この配置が西洋で有名なのはそのためです。1701年、イエズス会士ジョアシャン・ブーヴェはゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツに邵雍の六十四卦の配列図を送りました。ライプニッツはすでに二進法の算術を考え出しており、この順番がそれと一致することに気づき、1703年の二進数に関する論文で取り上げました。その経緯と、それが何を証明し何を証明しないかについては、ライプニッツと易経で紹介しています。
先天八卦と後天八卦の違い
もう一つの古典的な配置が、文王の作とされる後天八卦(後天)です。二つは同じ八卦を別の目的に使っています。
- 先天八卦は構造を表します。 反対どうしが完全な均衡のうちに向かい合う、陰陽の成り立ちを示す時間を超えた図です。
- 後天八卦は過程を表します。 八卦が、物事が実際に起こる順に季節と方位に沿って並びます。東の震が春、南の離が夏、西の兌が秋、北の坎が冬です。
同じ場所にとどまる卦は一つもありません。乾は南から北西へ、離は東から南へ、坎は西から北へ、というように移ります。両者の関係は「先天為體,後天為用」——「先天は体、後天は用」という言葉によく表されています。八卦の図を見かけたら、乾がどこにあるかを確かめてください。上にあれば先天、北西の隅にあれば後天です。
本当はどれほど古いのか
宋代の学者たちはこの図を伏羲自身のものとし、陳摶から邵雍へと道家の師たちを通じて密かに伝えられたと説明しました。朱熹が『周易本義』の巻頭にこれを載せたことで、何世紀にもわたって標準となりました。清代の胡渭らは、これらの図は宋代の創作で初期の文献に根拠はないと詳しく論じました。今日ではほとんどの歴史家がこれに同意しています。説卦伝の一文は古いものですが、円と番号は邵雍のものです。だからといって有用性が減るわけではありませんが、誰の考えを使っているのかは知っておいてよいでしょう。この論争は、象数派と義理派のより大きな対立の一部です。
先天八卦が使われる場面
- 梅花心易。 邵雍の作とされるこの方法は、先天の順で数を卦に変えます。余りが1なら乾、2なら兌、と続き、8が坤です。梅花心易をご覧ください。方位を扱う段になると、この方法は後天八卦に切り替えます。
- 卦の順序と対称性。 邵雍の六十四卦の方図・円図は、泰と否のような反対の対をすべて、一つの幾何学的な模様のなかに並べています。
- 風水と護符。 多くの風水の流派は先天八卦を根底にある型、後天八卦を実際に使う地図として扱い、戸口の上に掛ける八角形の八卦鏡も先天の順で描かれていることがよくあります。
占いを読むときの使い方
ふつうのコインによる占いでは、先天八卦の円はまったく必要ありません。卦の本文を読めばよいのです。役に立つのは二つの場面です。一つは、卦を構成する二つの八卦を読むとき。円はそれぞれの反対の卦を思い出させてくれ、それが状況に欠けている性質であることがよくあります。もう一つは、梅花心易のように数で卦を立てるとき。乾1、兌2、離3、震4、巽5、坎6、艮7、坤8という順を覚えておきましょう。どんな数でも八卦に変える鍵になります。